英文解釈のルールその1

 これから数回にわたり英文解釈のルールについて解説していきます。サイトを訪れてくださった皆様からのアツイメッセージにお応えして、全精力を込めて丁寧に解説します。それでもわからないことがございましたら、管理人にメールで直接お問い合わせください。

毎回の構成は、

@問題の提示
Aそのチャプターで知っておいてもらいたい文法などの解説
(そのチャプターに入る前の雑談的なものも含みます)
B問題の解説
Cまとめ

となっております。それでは始めましょう。

問い1、次の英文を和訳してください。知らない単語は辞書で調べてもOKです
The extreme pressure the fierce competition on entrance examinations has generated has distorted the educational process and helped to spark such major social problems as school drop-out and increased delinquency.

 これは実際の国立大学二次試験の入試問題です。少し難しかったですか?入試レベルでは少し難しめですが、この程度の文章はしょっちゅう出るレベルだと思います。この程度の英文がすらっと解釈できるようになれば、どんどん他の英文も多読し、速読の方に力を注いでもいいでしょう。しかし、すらっと解釈できなかった方は、速読・多読よりも、精読に集中すべきです。もし、この英文を和訳しろなんて問題がでたらお手上げです。

【ここまでやるか!!スゴイ解説】
 それでは詳しい解説に入りましょう。まず、英文を読む時には前から前から順番に意味を取っていくことが全てではないということを知っておいてください。中には後ろから前を考えなければならないことだってあるということです。前から前から意味が取れなくて迷っている時間があるなら、まず、ピリオドまで通して読み、文章全体をしっかり見て解釈していきましょう。

文章を読むときに一番に注目しなければならないのが、文型でした。
しかし、文型は動詞が作り上げるものなので、まずは動詞を見てみましょう。
The extreme pressure the fierce competition on entrance examinations has generated has distorted the educational process and helped to spark such major social problems as school drop-out and increased delinquency.
この文章には、動詞が3つあります。
has generated has distorted helped です。has distortedhelpedは共通の主語The extreme pressureを持つ動詞なのでここでは2つで1つと考えます。このことは後で説明します。ということで、この文章の動詞の数は2つということになります。動詞が2つあるといことは、この2つの動詞が作る文をつなぎ合わせる接続詞or関係詞が1つあるということです。しかし、関係詞は省略も可能なものがありましたので、それも考慮に入れて考えなければなりません。文中における動詞と接続詞or関係詞の数の関係のことを初めて聞く人はここで鉄則として覚えておきましょう。

鉄則:
ひとつの文中の動詞の合計数−1=その文中の接続詞or関係詞の数

 それでは接続詞or関係詞を探してみましょう。
The extreme pressure the fierce competition on entrance examinations has generated has distorted the educational process and helped to spark such major social problems as school drop-out and increased delinquency.
この2つの
andは違います。これは文と文をつなぎ合わせている接続詞ではく、前者はhas distortedhelpedという動詞をつないでいます。後者はschool drop-outとdelinquencyをつなぎ合わせています。
正解は次のようになります。
The extreme pressure(   )the fierce competition on entrance examinations has generated has distorted the educational process and helped to spark such major social problems as school drop-out and increased delinquency.
カッコの部分に関係代名詞の
that(whichでもok)が省略されています。

 接続詞or関係詞というものは、動詞が作る文をつなぎ合わせるものですね。それでは、
whichはどの動詞の文をつないでいるのかを見てみましょう。
The extreme pressure ( which ) the fierce competition on entrance examinations has generated has distorted the educational process and helped to spark such major social problems as school drop-out and increased delinquency.
 この
whichhas generated が作り上げる文をつなぐための関係代名詞です。この赤字になっている部分がhas generatedが作る文です。ここでちょっと疑問が出ます。それはgenerateは第3文型の動詞であるのに目的語が無いということです。その目的語は先行詞として、whichの前に出ています。よって、この関係代名詞節(太字部分)は文頭のThe extreme pressureを修飾していることになります。関係代名詞節は品詞が必ず形容詞で、文の補語(C)になるか、名詞を修飾するということも覚えておいてください。この文の場合、後者の「名詞を修飾する」の方にあてはまります。
whichには関係代名詞or疑問詞としての用法があり、thatには接続詞or関係代名詞or代名詞の用法があります。それぞれ使い方には決まりがあるのですが、ここで説明していたらなかなか先へ進めませんので省略させていただきます。ここでは、とりあえず結果を受け入れてください。 
 has generatedが作る文は確認できました。そうすると残ったhas distortedが主節の動詞になります。それとandでつながれているhelpedも主節の動詞と考えます。主節とは接続詞・関係詞の複数ある文章の中心をなす文のことです。複雑な文章の場合、主節を見つけるのはとても大切な作業になります。主節の意味さえわかってしまえば、修飾語句の多い文章でもすっきりして見えます。それではこの主節の動詞であるhas distortedhelpedが作っている文の骨格をビジュアルにみていきましょう。

(S)The extreme pressure
( which ) the fierce competition on entrance examinations has generated
(V)
has distorted (O)the educational process
and
(V)
helped (O)to spark such major social problems
as school drop-out and increased delinquency.


 こんな形になります。太字の部分が主節になります。
as school drop-out and increased delinquencyを太字にしなかったのは、これは修飾語句(M)なので、解釈をするときはあとから意味を付け加えた方がわかりやすいからです。それでは太字の部分だけ和訳してみましょう。
「(S)極端な圧力が
(O)教育のあり方を(V)ゆがめ
そして
(O)大きな社会問題を広げる(V)助けとなった。」

(<助けとなった>は<一因となった>と訳すとすっきりしますね。)どうでしょう。
such major social problems as school drop-out and increased delinquency
ここの部分ですが、よく見かけるsuch A as B の形ですね。A=Bと解釈すればいいので、
(major social problems)大きな社会問題=(school drop-out and increased delinquency)中退者や非行の増加)と解釈し、そこから「中退者や非行の増加といった大きな社会問題」と和訳してやれば問題ありません。
 残るは
( which ) the fierce competition on entrance examinations has generatedです。和訳すると
the fierce competition(猛烈な競争が)ここが主語Sになります。
on entrance examinations(入学試験における)ここの部分は修飾語句Mです。<前置詞+名詞>で形容詞か副詞の働きをします。この文の場合修飾できる相手は直前の名詞the fierce competitionしかありませんので、品詞は形容詞になります。
has generated(生み出してきた)ここは動詞Vです。
通して訳すと、
「受験における猛烈な競争が生み出してきた」となります。
この部分は関係代名詞節で直前の名詞
The extreme pressureを修飾するんでしたね。それでは修飾してみましょう。修飾するとは意味を具体化するということですので、「極端な圧力」ってどんな圧力??→それは「入学試験における猛烈な競争が生み出してきた」圧力だよ。という形で解釈しましょう。通して訳すと「受験における猛烈な競争が生み出してきた極端な圧力」というふうになります。
 
それでは全体を通して参考和訳を出しておきます。
「入学試験(受験)における猛烈な競争が生み出してきた極度の圧力が、教育のあり方をゆがめ、中退者や非行の増加といった大きな社会問題を誘発する一因となった。」

【まとめ】

英文を読むときには、前から前から単語の意味を取っていくことが全てではありません。まずは一端ピリオドまで目を通し、英文全体の構造をつかむことが大切です。そのためには文型(品詞の並び方がどうなっているのか)を見抜く力が必要です。

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管理人 Daizoo

 

 

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