英文解釈のルールその2

問い2、次の英文を和訳してください。知らない単語は辞書で調べてもOKです。
We need to recognize that humanity is one, that there is only one race on this planet, the human race, and that the differences in color and custom are meant by the creator to beautify and enrich the world of humanity just as the different colors of flowers beautify a garden.

 英文を読み、そこに書いてある内容を理解するためには、ただ単語の意味をつなぎ合わせれば良いのではないということは、みなさん御承知のことと思います。「正確に読む」ためには、どういう知識をどう扱えば良いのかを解説します。一文一文ゆっくりやっていきましょう。他のページでも書きましたが、英語は語順で、日本語は助詞で、単語の役割が決まっています。英語には基本的に5つの文型があり、それぞれの文がどの文型であるか(どの文型であるかはその文中の動詞によって予め決まっているのですが)によって解釈方法(それぞれの単語の役割)が決まっています。

@文型別解釈方法
【第一文型】
SV SVする。
【第二文型】
SVC →SCだ。(要注意:SCは主語と述語の関係
【第三文型】
SVO →SOVする。
【第四文型】
SVO1O2 SO1O2を与える。
【第五文型】
SVOC →@Sが原因でOCだ。ASOCだと思う。(要注意:OCは主語と述語の関係

主に上記のような解釈方法になります。
SVOCのことを「文の要素」といい、その他の語句を修飾語句(M)といいます。「修飾する」とは「意味を具体的にする」ということです。「赤いリンゴ(a red apple)」とあれば「赤い(red)」は「リンゴ(apple)」を具体化していますよね。こういうとき「赤い(red)」という形容詞は「リンゴ(apple)」という名詞を修飾しているといいます。全ての英文はこの文の要素と修飾語句で成り立っています。では次に、S/V/O/C/Mの役割をするもの(それぞれの品詞)を見ていきましょう。

A文の要素、修飾語句の品詞
S→名詞(相当語句)
V→動詞(相当語句)
O→名詞(相当語句)
C→名詞or形容詞(相当語句)
M→形容詞or副詞(相当語句)
※前置詞と名詞はセットになり、そこで意味のカタマリができます。品詞は形容詞または副詞として扱います。
※形容詞は名詞を修飾し、副詞は名詞以外を修飾します。

@とAを合わせると次のようになります。
【第一文型】→名詞
S+動詞V
【第二文型】→名詞
S+動詞V+名詞or形容詞C
【第三文型】→名詞
S+動詞V+名詞O
【第四文型】→名詞
S+動詞V+名詞O1+名詞O2
【第五文型】→名詞
S+動詞V+名詞O1+名詞or形容詞C

ここで注意してもらいたいのは、主語
Sになるのは名詞の単語一つではなく、名詞に相当する語句も含まれるということです。ですので、名詞句や名詞節、他にも引用語句等も主語になりえるということです。これはVOCも同様です。文章が長いと、どこからどこまでがS(主語)なのか、またはO(目的語)なのか、そしてC(補語)のなのかが見えにくくなります。このことが原因となって、慣れないうちは英語を解釈するのが難しいのです。

それでは「問い1」の解説に入りましょう。

【ここまでやるか!!スゴイ解説】
We need to recognize that humanity is one, that there is only one race on this planet, the human race, and that the differences in color and custom are meant by the creator to beautify and enrich the world of humanity just as the different colors of flowers beautify a garden.

まず、動詞を探しましょう。動詞は全部で5つあります。見えましたか?

We need to recognize that humanity is one, that there is only one race on this planet, the human race, and that the differences in color and custom are meant by the creator to beautify and enrich the world of humanity just as the different colors of flowers beautify a garden.

上記の赤字が動詞です。
need to recognize, is, is, are meant , beautifyです。 ですので、接続詞or関係詞は5−1で4つということになります。
では、それぞれの動詞が作る文がつながる接続詞
or関係詞を見てみましょう。同時に接続詞or関係詞節がどこからどこまでなのかも確認します。接続詞or関係詞節の始まりと終わりは、その接続詞or関係詞から始まり、その節中に使われている動詞によって終わりがどこなのか決定します。

We need to recognize
<
that humanity is one>,
<
that there is only one race on this planet, the human race>,
and
<
that the differences in color and custom are meant by the creator to beautify and enrich the world of humanity>
<just
as the different colors of flowers beautify a garden.>

少し見にくいですが、
@that humanity is one
A
that there is only one race on this planet, the human race,
B
that the differences in color and custom are meant by the creator to beautify and enrich the world of humanity
C
just as the different colors of flowers beautify a garden
というふうに4つの接続詞
or関係代名詞節があることがわかります。
では次に、
それぞれが接続詞による節なのか、関係代名詞による節なのかを判断します。どうしてこのような判断が必要なのかといいますと、この判断をすることで、それぞれの節の品詞が特定され意味を解釈することができるからです。

<that節の判別方法>
接続詞の
that(名詞節)that節内の文の要素がそろっている(完全な文)
関係代名詞(関係詞)の
that形容詞節)→that節内の文の要素が欠けている(不完全な文)

<as節の判別方法>asの判別は非常に複雑ですので重要なものを解説します)
asには接続詞と関係詞、また前置詞としての用法があります。
接続詞の
as副詞節)→as節内の文の要素がそろっている(完全な文)
接続詞の
asの意味:時(〜のとき)比例(〜するにつれて)様態(〜のように)対照(〜だが)理由(〜なので)

関係代名詞の
as形容詞節)→as節内の文の要素が不完全
関係代名詞の
asの意味:〜のような

前置詞の
as形容詞or副詞)→asは節(SV)を作っておらず後に名詞が来る。その名詞とセットになり意味のカタマリができる。
前置詞の
asの意味:〜として

最初の講義からやっかいですが、これら節が接続詞なのか関係詞なのかを見分けることは非常に大切ですので、ここで
thatasはしっかりマスターしてください。各自辞書で例文を見ておいてください。

@から見ていきます。
that humanity is oneですね。この文章は動詞(V)であるisの前に主語(S)humanityがあり、動詞のあとには補語(C)oneがありますので完全な文となります。よってこのthat接続詞のthatです。
Aも同様に
isの主語(S)であるone raceがありますので完全な文です。よってこのthatも接続詞です。there is 〜の文の注意点として、この形の文章は【there <be動詞> <名詞>】という形をとり、【<名詞>がある。(存在する)】と解釈する決まりがあることも覚えておいてください。
Bは少しやっかいですね。文の要素だけを取り出して見ましょう。
that the differencesin color and customare meant (by the creator) to beautify and enrich the world (of humanity)
括弧でくくってやった所は、全て<前置詞+名詞>で修飾語句
(M)なので省いて考えてみます。すると、
that the differences are meant to beautify and enrich the world
となります。すっきりしました。
meantmeanという動詞の過去分詞形です。直前にbe動詞があるのでそうわかります。
meanには[<S> mean <O> to do] という用法がありました。「<S><O>に〜させる」という意味でした。これが受け身になって元々の<O>であるthe differencesが文頭に出ているのです。ですので文の要素はそろっていることになります。よってBのthatも接続詞になります。
Cですが、この
as節内は完全な文になっています。動詞はbeautify主語はthe different colors目的語はa gardenです。ですので、このasは接続詞となります。

ここで完全とか不完全という表現が出てきましたが、この考え方はとても大切です。節内が完全か不完全なのかを判断する習慣を早く身につけてください。それぞれの節内が完全か不完全かを決めるのはその節内の動詞であることも覚えておいてください。Cでいいますと、
as節の動詞はbeautifyという他動詞であり、第3文型の動詞であるため、主語the different colors と目的語a gardenがそろっているので、as節は完全な文と判断できたのです。もし、ここでas節内で第5文型の動詞が使われていたとしたら、このas節は不完全であって、asは関係詞ということになってしまいます。

さて、長々と説明しておりますが、この説明の威力がここで発揮されます。
もう一度英文を見てみましょう。

We need to recognize
@<that humanity is one>,
A<that there is only one race on this planet, the human race>,
and
B<that the differences in color and custom are meant by the creator to beautify and enrich the world of humanity>
C<just as the different colors of flowers beautify a garden.>

どうですか?それぞれの節の品詞に注目してください。
@ABの
thatは接続詞なので(that節内が完全な文なので)名詞節、Cのasは接続詞なので(as節内が完全な文なので)副詞節になりますね。すると、この文は次のようにスッキリして見えるはずです。

We need to recognize
<
名詞節@>,
<
名詞節A>,
and
<
名詞節B>
<
副詞節C>.

We need to recognize <名詞節@>, <名詞節A>, and <名詞節B> <副詞節C>.

どうですか??どこかで見た文章の形ではないでしょうか?もう文章の骨格が見えたと思います。文章の骨格の和訳を出してみましょう。副詞Cは修飾語句なので後で意味を付け加えることにします。

よく見る
SVA, B, and C.ですね。和訳を出すときはなるべく主節の意味から考えるようにしましょう。この文章の場合主節の動詞はneed to recognize です。主節の動詞は、接続詞や関係詞を持たない動詞です。主語はWe。目的語はA, B, and Cという形で、3つまとめて一つと考えれますね。ですので、
「私たちは、<
名詞@>や<名詞A>そして<名詞B>を認めなければならない(認める必要がある)」となります。

あとは@ABCを和訳してやればよいでしょう。

@
that humanity is one「人類はひとつ」

Athat there is only one race on this planet, the human race,
「この地球上には人類という一つの人種だけ存在する」
ここは少し難しいかもしれません。
only one race the human race が同格になっています。直訳的には「地球上には一つの種族だけ存在する、すなわち人類である。」となります。

Bthat the differences in color and custom are meant by the creator to beautify and enrich the world of humanity→受動態では解釈しにくいので能動態に直しましょう。すると、
(S)the creator
(V)mean
(O)the differences in color and custom
<to beautify and enrich the world of humanity>
meanは「意図する」という意味ですので、SVOまで訳すと、「創造主は、肌の色や習慣の違いを意図する」となります。この節内では文の要素はここまでですのでto beautify and enrich the world of humanityは修飾語句として、副詞用法不定詞として扱えば良いでしょう。すると、
「人類の世界を美しく豊かにするために」と訳せます。
つなげてみると、
「人類の世界を美しく豊かにするために、創造主は肌の色や習慣の違いを意図する」
となります。しかし「意図する」では日本語としておかしいですね。ただ単に「作る」とした方が良いのではないでしょうか?そうすると、
「人類の世界を美しく豊かにするために、創造主は肌の色や習慣の違いをつくる」
となります。


Cjust as the different colors of flowers beautify a garden→このas節は副詞節でした。意味がたくさんありますが、ここでは様態の意味になります。ですので、
「それぞれの花の色の違いが庭を美しくするように」となります。

では@ABCをつなげていましょう。
@「人類はひとつ」A「この地球上には人類という一つの人種だけ存在する」
B「人類の世界を美しく豊かにするために、創造主は肌の色や習慣の違いをつくる」C「それぞれの花の色の違いが庭を美しくするように」
でした。

「人類は一つであり、この地球上には人類という一つの人種だけ存在し、それぞれの花の色の違いが庭を美しくするように、この人類の世界を美しく豊かにするために創造主は肌の色や習慣の違いを作っていることを、私たちは認めなければならない。」

参考和訳を出しておきます。
「私たちは、人類は一つであり、この地球上には人類というただ一つの人種しか存在せず、肌の色や習慣の違いは、いろんな花の色が庭を美しくするように、この人間の世界を美しく豊かにするために創造主が作られたものであることを認めなければならない。」

【まとめ】

<文型別解釈方法>
【第一文型】
SV SVする。
【第二文型】
SVC →SCだ。(要注意:SCは主語と述語の関係
【第三文型】
SVO →SOVする。
【第四文型】
SVO1O2 SO1O2を与える。
【第五文型】
SVOC →@Sが原因でOCだ。ASOCだと思う。(要注意:OCは主語と述語の関係


<文の要素、修飾語句の品詞>
S→名詞(相当語句)
V→動詞(相当語句)
O→名詞(相当語句)
C→名詞or形容詞(相当語句)
M→形容詞or副詞(相当語句)
※前置詞と名詞はセットになり、そこで意味のカタマリができます。品詞は形容詞または副詞として扱います。
※形容詞は名詞を修飾し、副詞は名詞以外を修飾します。
※文の要素になるのは、名詞や形容詞など単独の単語のみでなく、それに相当する語句または節もそれ全体で文の要素になる。


<動詞と接続詞、関係詞の数の関係>
文中の動詞の総数−1=その文中の接続詞または関係代名詞の数


<接続詞と関係代名詞について>
thatなど接続詞や関係代名詞(関係詞)どちらの用法もある語句は、その節内の文が完全な文か、不完全な文かを見極めなければならない。完全な場合と不完全な場合とでは節の品詞が異なるため、解釈方法が違うからである。不完全な場合は、節内の動詞に必要な名詞か欠落している。


that節の判別方法>
@接続詞の
that(名詞節)that節内は完全な文
A関係代名詞(関係詞)の
that形容詞節)→that節内は不完全な文


as節の判別方法>(他にも倒置の用法もある)

@接続詞の
as副詞節)→as節内は完全な文
接続詞の
asの意味:時(〜のとき)比例(〜するにつれて)様態(〜のように)対照(〜だが)理由(〜なので)

A関係代名詞の
as形容詞節)→as節内は不完全な文
関係代名詞の
asの意味:〜のような

B前置詞の
as形容詞or副詞)→asは節(SV)を作っておらず後に名詞が来る。その名詞とセットになり意味のカタマリができる。
前置詞の
asの意味:〜として


<能動態と受動態>
受動態で和訳すると、日本語的に不自然になる場合が多いので、その場合は迷わず能動態に直して意味を考える。受動態の主語を、目的語の位置に戻せば完成である。


<主節の重要性>
意味をとる時は主節の意味からとるようにする。主節がどういう骨格になっているかを素早くつかむことで複雑な文章もスッキリ見える。主節の文の要素さえ見つかれば、あとは全てが修飾語句である。

主節の動詞は接続詞or関係詞を持たない動詞である。


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Daizoo

 

 

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